正月に食べる縁起の良い食べ物がおせちです。おせちはもともと季節の変わり目である節に神様のお供え物をして、宴を開くという宮中行事に用いられていた料理になります。それがいつの間にか庶民へと浸透し、正月に食べる料理として定着したとされています。おせちには様々な料理が用いられますが、その一つ一つに意味があります。
黒豆は、まめに働けるようにという意味合いから丈夫や健康を意味する料理になります。数の子はニシンの卵ですが、二親から多くの子が出来るめでたいものとして子宝と子孫繁栄を祈る料理です。田作りは、小魚を田畑に撒いて肥料としたことから名付けられた料理です。片口鰯を使った手作りは小さくても尾頭付で、五穀豊穣の願いが込められています。
この三つのことを祝い肴といいます。紅白かまぼこは、かまぼこは日の出を意味するものです。紅白は祝いの色を示すものですが、紅はめでたさと喜びを示し、白は神聖を表しています。伊達巻は、もともと長崎から伝わったカステラかまぼこが伊達者の着物にい似ていたことから伊達巻と呼ばれるようになったとされています。
その形状が巻物に似ていることから知性を表す象徴として勉強や習い事が成熟するという意味があります。これらを口取りと呼びます。他にも海老の焼き物は長寿、煮しめは里芋が子宝祈願、レンコンが先を見通せるようになどの意味があります。紅白なますはお祝いの水引をかたどったものなどの意味があり、縁起の良いものが詰め込まれたのがおせち料理と言えます。